カテゴリー: Book

「日本の城」完全制覇!

不思議軍隊長のどるたんです。

本日、某最寄書店にてデアゴスティーニ 週刊『日本の城』第121号を入手。
これにて全冊制覇いたしました!

いやぁ、長かったでござる。
1号が出たのが、2013年1月なので約2年半。

当初は100号までの刊行予定だったものが、好評につき120号までとなり、先週120号を入手した時点で完全制覇!
と思いきや・・・
次号の予告が出ていやがりまして「んっ!?」と一瞬吃驚仰天いたしましたが、121号は総索引という事で、先ほどその121号をめでたく入手したという次第。

しかし、よく週刊でこれだけのものを出し続けたものでございます。
感謝です。

これをね、暇を見て、専用バインダーではなく、自己流に簡易紐綴じ形式で整理しようかなと思っています。

そしていつの日か、紐綴じ「日本の城」全冊と、ギター1本を携えて、日本中、城巡りしながら弾き語り行脚をするのが、当面の小さな夢でございます。

いつの日か、あなたの街でお会いいたしましょう!

安彦良和 「天の血脈」 第3巻を読んだ

昨夜、書店に立ち寄った所、安彦良和著「天の血脈」第3巻(コミック本であります)が出ていたので購入した。

伝奇的な題材は、昔から大好物で、小説では半村良「石の血脈」、山田正紀「神々の埋葬」、高橋克彦「総門谷」、荒俣宏「帝都物語」等等、むさぼるように読んで来た。

この「天の血脈」第3巻、作品中の現在進行形時間は、日露戦争開戦あたり。さらに古代史上の好太王の碑、そして古事記など記紀神話的世界との絡みもあり、とてもそそられる内容なのだ。
古代から現代に至る歴史に様々な思いを抱きながら読了。

安彦良和「天の血脈」

ということで、ちょっと文体を変えます。

神話的世界と現実世界のリアルな接点、的な物も好きなのですが、歴史の中で戦争に向かう時、その時の一般人レベルの感覚、そんなものに最近は、とても興味があります。
いや、最近というわけでもないな。
長い事興味を持ち続けています。

興味を持った所で、実際の所、記録や伝聞、もしくは想像でしか感じる事は出来ないのですけど。

この作品中の現在進行形時間には、内村鑑三、大杉栄、そして新宿中村屋の創業者、相馬良など実在した人物が数多く登場するのも、そそられまくる大きなポイントです。

さて、そんなオレが、どんな事を考えながら、どんな事を感じながらこの本を読んでいたのかというと。

最近、特に思っている事とリンクするのですが、「今」って戦前なのでは?
まさしく戦争に向かっているさなかに、オレたちは生きているのではないのか?
という事です。

だとしたら、多くの人は、社会の動きに特に何の興味も持たぬままに、戦争に突入していってしまうのかも知れないわけで、なんなんですかね・・・この虚無感は。

多くの人々は、どこの政党が政権をとっても世の中なにも変わらないと思っているのでしょうか?

多くの人々は、特定秘密保護法案なんてものが通ろうが通るまいが、世の中なにも変わらないと思っているのでしょうか?

多くの人々は、自民党の憲法改正案が通ったところで、世の中なにも変わらないと思っているのでしょうか?
というか、自民党が憲法を色々と変えちゃおうとしている事を知っていますか?
興味を持っていますか?

これ全部、戦争に直結する問題だと思うのは、オレの考え過ぎですか?

それと、直接戦争に関係ないのかも知れないけど、多くの人々は、福島第一原発の事故は、もうほぼ解決済みで安心安全に暮らしていけると思っているのでしょうか?

まあ、多くの人の中にも、多少の興味や、危機感を持っている人は、いると思いたいのだけど、でも諦めというか、現状を受け入れるしか無いでしょ?って感覚が支配しているのかな・・・

たぶん、そういう人たちの感覚を、あまりきちんと理解する事ができないから、子供の頃から大きな疎外感を味わいながら生きてきたわけですよね。

と今更ながら思ってみたり。

自民党の憲法改正草案は、本当にとんでもないと思うのだけど・・・というか、「戦争をやりやすいように変えたい」という本音が読みとれませんかね?これ。

下に紹介する記事は、けっこうバイアスもかかっておりますが、後半部分に現行憲法と改正草案の比較が表になっているので、興味のある方は、読んでみても良いかと思います。
http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm

国民の権利を色々と規制、束縛する方向に向かっているのは、感じられますよね?

「財産権」であるとか、「表現の自由」の文言をわざわざ変える理由って、なんなんでしょうか?
どういう時に、その文言を変えた効果が発揮されるのでしょうか?

そんな事を考えているオレは、もちろん原発にも戦争にも反対なのですが、それを反対と言う事すら危険な世の中になってしまいそうな昨今です。
だってダンスすら規制されちゃうんだぜ?

って、オレの考え過ぎ?

と、まあ「天の血脈」第3巻の話からは逸脱してしまいましたが、オレたちも今、歴史の中に生きている。
その進む先には、もしかすると戦争があるかも知れない。
そして、オレたちは、それを阻止できる可能性を持っている(かも知れない)。

なんて事も考えてしまうオレなのです。

ちばてつや 『蛍三七子』

蛍を見に行った。

夕方まで、密閉された空間で作業をしていたので、外に出ると、無性に自然の空気に触れたくなり、車を走らせた。

名栗、有馬ダムの近く。

名栗村有馬ダム近く

この辺、蛍見物のポイントとなっているらしく、日没頃から、1人、2人と人が集まりだす。

そのうち、ふ~っと小さな光が飛び始める。
子供の小さな歓声があがる。

しばらく、「おぉ」とか「ほっ」とか、小さく独りつぶやきながら、飛び交う蛍の光を楽しむ。

帰り道、思い出していたのは、『蛍三七子』の事だ。

ちばてつやの短編。
初出は1972年、少年マガジン。

これは、小学生当時、読んでとても感動したのをおぼえている。

(たぶん)単行本に、収録されないまま、1977年刊行された、ちばてつや漫画文庫に収載された。
とても薄く『蛍三七子』1編のみ収載。
待ちわびて買ったものなので、もちろん、オレが持っているのは、初版本。
当時180円。
何度も読み返しているので、ボロボロだ。

蛍三七子 表紙

まあ、簡単に言ってしまえば、蛍を大事に守ってきた三七子と、そこに製紙工場を建てようと、次々と埋め立ててゆく会社との対立的なお話なのですが、初めて読んだのが小学生の時だったから、なんかすごく胸に迫るものを感じたし、やりきれなさや、怒り、問題意識みたいな物も芽生えたな。

蛍三七子 内容

ラストシーンは今見ても、感動する。

今の意識で読んでみると確かに描き足りていない部分もあるのかも知れないけど、その先の事は、読んだ者の心の中で育てばいいのだ。

少なくとも、オレは当時感じた問題意識を今も持ち続けているし、それは、現在の原発問題に対する意識とも共通するものだな、と改めてこの作品を読み直して感じた次第。

どうやら現在は絶版になっていて、Amazonでは、中古にそこそこの金額がついていた。
今こそ、再版されればいいのにな。

※実際に本の題名に使われているのは『蛍』ではなく『螢』の文字 

朝日新聞文芸時評(松浦寿輝)がひどすぎる

今日の朝日新聞の文芸時評、作家・詩人の松浦寿輝が書いてるんだけど、オレ、こういうの本当に嫌いなんだよな・・・
 
あらすじ書いて、感想書いて、小学生の読書感想文か?
 
一番ひどいと思ったのは、浅川継太「ある日の結婚」(群像7月号)に対する評。
あまりにひどいから、途中まで書き写しちゃうよ!
 
(引用ここから)
始めのうち、男女の偶然の出会い、映画館でのデート、肉体関係と、尋常なステップを辿って進展してゆく平凡な恋愛小説の外観をまとっている。だが、こんなものかと高を括りつつ、生あくびをしながら読み進めているうちに、突如とんでもない展開になっていくのでわたしはぎょっとして、思わず膝を正し字面に目を凝らすことになった。
(引用ここまで)
 
とな。
で、この後、なんでぎょっとしたかを
「何と二人は互いの・・・」
てな調子で全部書いていやがるんですよ。
事細かに情景描写までね。
 
これさぁ・・・
あんたが書いたこの評を読んだ人は、誰ひとりとして、「ぎょっとして膝を正す」ほどの衝撃に出会えなくなるわけだよね?
 
分からんのか?
 
せめて(ネタバレあり)とでも、書いてあれば注意して読むけどさ。(笑)
 
さらに最悪なのは、(あえて伏字にするけど)
 
○○○○○○○○○○○○○○○(○の数は適当)して彼らが街に出てゆくラストシーンは圧巻だ。
 
だと。
ラストシーンも教えてくれたよ、この人。
 
「圧巻!」って感じる人誰もいなくなっちゃうだろ?
これ読んだら。
 
圧巻のラストシーンを「ああ、なるほどね」のラストシーンにしちゃってるじゃん!
 
なんだろうな、別に文芸時評は宣伝じゃないんだから、こういう事書いていいのかも知れないけど、自分以外の読者の事を何も考えてないバカなんじゃねえの?こいつ。
 
って、オレは思ってしまうわけです。
 
いや、文庫のあとがきになら書いても全然OKですよ。
 
映画が終った後になら、淀川長治先生や、水野晴郎さんが、どんなに細かい感想言ってもかまいませんわ。
「主人公が殺されるこの場面!衝撃的でしたね!」
って言ってもいいわけですよ。
その衝撃をみんなで共有した後だからね。
 
でも、映画がはじまる前に出てきて、それ言わんだろ?
 
このまま、こいつに文芸時評だの書評だの書かせておいたら、ミステリーの謎解きだろうが、何だろうが、得意気に語っちゃうと思うぞ。

 
いいのかそれで?
 

小玉ユキ「月影ベイベ」1巻

小玉ユキの新作「月影ベイベ」1巻を買った。

小玉ユキ「月影ベイベ」1巻

この作者の作品をはじめて読んだのは、1巻完結物の「羽衣ミシン」
清潔感があり、どこか懐かしい味のする独特な画風とムードに惹かれ、初期の短編集なども一通り読んでみた。
かなり好き。

この作品は、東京から地方への転校生が主人公という設定のせいか、前作の「坂道のアポロン」と雰囲気が似ている。
良い意味で前作の雰囲気を継承している感じ。

「坂道のアポロン」でも、感じていた事だが、キャラクターの描き分け、心情描写の細やかさが見事。
それぞれの場面で、各々のキャラクターに心を寄り添わせる事が出来る。

それだけに、今後の展開でまた泣かされてしまう予感・・・

なんにしろ楽しみだ。

-不思議軍隊長 どるたん

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