月: 2013年6月 (1ページ目 (3ページ中))

ちばてつや 『蛍三七子』

蛍を見に行った。

夕方まで、密閉された空間で作業をしていたので、外に出ると、無性に自然の空気に触れたくなり、車を走らせた。

名栗、有馬ダムの近く。

名栗村有馬ダム近く

この辺、蛍見物のポイントとなっているらしく、日没頃から、1人、2人と人が集まりだす。

そのうち、ふ~っと小さな光が飛び始める。
子供の小さな歓声があがる。

しばらく、「おぉ」とか「ほっ」とか、小さく独りつぶやきながら、飛び交う蛍の光を楽しむ。

帰り道、思い出していたのは、『蛍三七子』の事だ。

ちばてつやの短編。
初出は1972年、少年マガジン。

これは、小学生当時、読んでとても感動したのをおぼえている。

(たぶん)単行本に、収録されないまま、1977年刊行された、ちばてつや漫画文庫に収載された。
とても薄く『蛍三七子』1編のみ収載。
待ちわびて買ったものなので、もちろん、オレが持っているのは、初版本。
当時180円。
何度も読み返しているので、ボロボロだ。

蛍三七子 表紙

まあ、簡単に言ってしまえば、蛍を大事に守ってきた三七子と、そこに製紙工場を建てようと、次々と埋め立ててゆく会社との対立的なお話なのですが、初めて読んだのが小学生の時だったから、なんかすごく胸に迫るものを感じたし、やりきれなさや、怒り、問題意識みたいな物も芽生えたな。

蛍三七子 内容

ラストシーンは今見ても、感動する。

今の意識で読んでみると確かに描き足りていない部分もあるのかも知れないけど、その先の事は、読んだ者の心の中で育てばいいのだ。

少なくとも、オレは当時感じた問題意識を今も持ち続けているし、それは、現在の原発問題に対する意識とも共通するものだな、と改めてこの作品を読み直して感じた次第。

どうやら現在は絶版になっていて、Amazonでは、中古にそこそこの金額がついていた。
今こそ、再版されればいいのにな。

※実際に本の題名に使われているのは『蛍』ではなく『螢』の文字 


朝日新聞文芸時評(松浦寿輝)がひどすぎる

今日の朝日新聞の文芸時評、作家・詩人の松浦寿輝が書いてるんだけど、オレ、こういうの本当に嫌いなんだよな・・・
 
あらすじ書いて、感想書いて、小学生の読書感想文か?
 
一番ひどいと思ったのは、浅川継太「ある日の結婚」(群像7月号)に対する評。
あまりにひどいから、途中まで書き写しちゃうよ!
 
(引用ここから)
始めのうち、男女の偶然の出会い、映画館でのデート、肉体関係と、尋常なステップを辿って進展してゆく平凡な恋愛小説の外観をまとっている。だが、こんなものかと高を括りつつ、生あくびをしながら読み進めているうちに、突如とんでもない展開になっていくのでわたしはぎょっとして、思わず膝を正し字面に目を凝らすことになった。
(引用ここまで)
 
とな。
で、この後、なんでぎょっとしたかを
「何と二人は互いの・・・」
てな調子で全部書いていやがるんですよ。
事細かに情景描写までね。
 
これさぁ・・・
あんたが書いたこの評を読んだ人は、誰ひとりとして、「ぎょっとして膝を正す」ほどの衝撃に出会えなくなるわけだよね?
 
分からんのか?
 
せめて(ネタバレあり)とでも、書いてあれば注意して読むけどさ。(笑)
 
さらに最悪なのは、(あえて伏字にするけど)
 
○○○○○○○○○○○○○○○(○の数は適当)して彼らが街に出てゆくラストシーンは圧巻だ。
 
だと。
ラストシーンも教えてくれたよ、この人。
 
「圧巻!」って感じる人誰もいなくなっちゃうだろ?
これ読んだら。
 
圧巻のラストシーンを「ああ、なるほどね」のラストシーンにしちゃってるじゃん!
 
なんだろうな、別に文芸時評は宣伝じゃないんだから、こういう事書いていいのかも知れないけど、自分以外の読者の事を何も考えてないバカなんじゃねえの?こいつ。
 
って、オレは思ってしまうわけです。
 
いや、文庫のあとがきになら書いても全然OKですよ。
 
映画が終った後になら、淀川長治先生や、水野晴郎さんが、どんなに細かい感想言ってもかまいませんわ。
「主人公が殺されるこの場面!衝撃的でしたね!」
って言ってもいいわけですよ。
その衝撃をみんなで共有した後だからね。
 
でも、映画がはじまる前に出てきて、それ言わんだろ?
 
このまま、こいつに文芸時評だの書評だの書かせておいたら、ミステリーの謎解きだろうが、何だろうが、得意気に語っちゃうと思うぞ。

 
いいのかそれで?
 


届いた!見た!ロックショウ!

 
結論から書くけど、買って良かった!!

paul McCartney & Wings ‘ROCKSHOW’


 発売からけっこう経ってしまったので、ブームに乗り遅れた感、無きにしもあらずですが、やっと購入したポールの「ロックショウ」Blu-Ray版
 
一昨日のブログで購入した事を書きましたが、昨日、届いておりました!
昨日は、La.mamaで不思議軍DCのLIVEだったので見る事が出来ませんでしたが、本日鑑賞!
 
内容的には、ほぼ知っているし、VHSやLDで何度も見てきた物なのですが、やっぱり綺麗な画面、鮮明な音で観るといっそう素晴らしいですね。

今までのは、なんだったの!?ってぐらい別物に感じます。
予想以上で、ぶったまげた!!

 ブックレット一体型のケースは、多少開きづらいけど、かっこいい写真が満載!

ライナーには、萩原健太さんによる1曲ごとの解説があり、とてもグッドです。
 
これは、今後、何度も繰り返し観るBDソフトになる事でしょう
 
買って大正解!


Paul McCartney & Wings / Rockshow

 
やっと出ましたね~
ポール・マッカートニー & ウイングスの『ロックショウ』
しかも嬉しいブルーレイで!
 
周りでは既に手に入れて、喜びの声をあげている人たちもいますが、オレはちょっと自分のロックショウであれこれ忙しかったので、未だ入手しておりませんでした。
 
で、先ほどついにAmazonでクリック! BD版で、25%OFFなら、買いかな・・・と。
 
この時期のポールは本当に、生き生きとしていて、観ているだけで嬉しくなっちゃいます。
最初から最後まで一緒に歌える曲ばかりだし。
 
ってまだ届いてないんだけど、実は、今まで・・・これ見てた!

なんとVHS版
これ高かったんですよ~
確か1万円以上したような記憶が・・・

実はLD版も持っているのだけど、LDプレーヤーが既に他界しておりまして。

今度出たBD版には、「レディ・マドンナ」や「ピカソの遺言」「マイ・ラヴ」など、VHSやLDに入っていなかった曲が、7曲も追加収録されているのも、本当に嬉しいポイントですね。
画質も良くなっているみたいだし、今から楽しみで仕方ないのです。

と言いつつも、明日、また自分のライヴ&その後の予定も色々と・・・なので、BD版を落ち着いて見る日は、いつになる事やら・・・


David Bowie – Diamond Dogs

デヴィッド・ボウイのアルバムの中で、最もたくさん聴いてきたのがこのアルバム『ダイアモンドの犬』
 
昨日は、雨模様の一日だったので、家で久しぶりにじっくりとこのアルバムと向き合って過ごしました。

Diamond Dogs’ Ryco盤CD
Diamond Dogs’ Ryco盤CD

 

(写真は、Ryko盤CD:オリジナルの見開きジャケットを、4つ折りライナーで再現している所が、ポイント高し!)
 
高校1年の時に、近所のレコード屋で購入。
いっぱつではまりました!
 
ボウイのグラム・ロック期最後のアルバムで、その後のプラスティック・ソウル期(?)の萌芽も見られるという、ちょっと複雑な時代のアルバムでもあるわけですが。
 
私にとっては、ほぼオンタイム。
初めて買ったボウイのアルバムが、これなので、思い入れも深いわけです。
 
なんせ、高校時代、授業中に頭の中にこのアルバムの曲が流れてくると、いてもたってもいられなくなって、早退して、家に帰りレコードを聴き狂っていた、という程のアルバムなのです。
 
冒頭の深い霧の中から響くような犬の遠吠えを聞くだけで、これから始まるめくるめく世界に胸がときめきます。
‘Sweet Thing’の高く伸びる切ない歌声を聴くとゾクゾクきます。
‘Rebel Rebel’のギターリフに心が躍ります。
‘We are the dead’の暗いイントロからの歌声にまたゾクっとくるのです。
‘1984’のイントロギターを聴くとまたまた高まります。
 
このアルバムについて、レコーディングデータや歌詞の内容、参加ミュージシャンなどは、色々な人が色々なところで書いているでしょうから、私がどれだけこのアルバムを好きかって事だけ書いておきます。
 
いや~、久しぶりにじっくりと聴いたけど、本当に良いアルバムです。
 
私が持っている、Ryko盤と東芝EMI盤のCDには、ボーナス曲が入っていて、現行の盤には入ってないんだけど、はっきり言って、このボーナス曲は蛇足。
トータルアルバムなので、しっかりラストは『永遠に回り続ける骸骨家族の歌』で終ってくれた方が、美しかろうと。
 
ところで、私は去年、アナログ盤を3,000枚程売却してしまったのですが、高校生の時、初めて買った日本盤の『ダイアモンドの犬』と、英国オリジナル盤の『Diamond Dogs』は、しっかりと手元に残してあります。

これは、一生手放さないだろうな・・・
 
 
-不思議軍隊長 どるたん


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