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40年目の真実 – マルートからのスホーイ

ほぼ40年間抱え続けていた謎がひとつ解けたというお話。

以前このブログで、中二病全開のこのノートを紹介いたしました。
PANTAX'S NOTE
http://fushigigun.com/2015/05/17/pantaxs-world/

(以下、一ファンモードの部分は、文中敬称略にて失礼いたします)

簡単に説明いたしますと、オレが高校生の頃に発売された、PANTAの1stアルバム『PANTAX’S WORLD』と2ndアルバム『走れ熱いなら』には、歌詞カードが入っていなかった。
そのため、その2枚のアルバムを必死にヒアリングして歌詞を書き起こしたのが、このノート。
(なんでそんな事をしたのかというと、レコードを聴きながら、一緒に歌いたかったから)

いやぁ、ものすごく苦労いたしました。
なかでも、超大名曲にして超大作の『マーラーズ・パーラー』!!

(一見)脈絡も無く、次から次へと出てくる単語、短文でアバンギャルドに綴られている難解な歌詞には、文脈からの推測という手段が一切通用しない。

はじめの一節だけ記してみても

♪ろくでなし野郎赤い羽根 ミシンをかついだギタリスト 傘をかぶったベーシスト おいらは銀河のニヒリスト

と言った具合なのだ。

それでも、一字一句聞き逃すまいと、何度も何度もレコードに針を落とし続けた10代のオレ。
しかし・・・どうしても分からない所が何ヶ所も・・・当時のオレが把握していた語彙範疇を超えた単語達や、ただ単になんだかよく分からなかった単語達。
そんな単語達は、仕方なくカタカナやひらがなで書き込まれている。

 
そして時は経ち1980年。
 

オレもそろそろ20歳になろうかという頃に発売されたPANTA&HALの2枚組ライヴアルバム『TKO NIGHT LIGHT』
なんと、このアルバムには『マーラーズ・パーラー’80』という曲が収められている。
アレンジは違えど歌詞は『マーラーズ・パーラー』と(ほぼほぼ)同じ!
 

さらに!
 

なんと!
 

歌詞カードがちゃんと入ってる!!

遂に答え合わせの時がやってきましたよ。
(以下右端()内は心の声)
 

誤)『君は浮気なリッタリハク』(何?)
正)『君は浮気な李太白』(誰?)
 

誤)『203連の脈拍が』(???)
正)『2拍3連の脈拍が』(音楽を続けてきた今なら分かる!けど不整脈?)
 

誤)『みそめたブーシに阿波踊り』(みそめた節??クレージキャッツ的な何か?)
正)『見染めたブル新泡踊り』(ブル新ってブルジョワ新聞!左翼用語?で、泡踊り・・・そっちかい!)
 

誤)『そそくさ逃げ出したアイクク』(???)
?)『そそくさ逃げ出した・・・』(答え合わせ出来ず、しかし後になぜかどこかで意味を知る、なるほど)
 

誤)『きのきやめあてのテロリスト』(??????)
正)『ピノキオ目当てのテロリスト』(なんでピノキオ出てくる?)
 

誤)『エスモールはごめんだよ』(何?)
正)『E♭m(エスモール)は御免だよ』(発音はあってたけど、そういう言い方するの知らなかった!)
 
 

どういうわけか、最難関の『パインカフェインB』の部分は、ほぼ正答で『パインカフェインビー』と記されている。
これは、当時、PANTAさんの家に遊びに行った友人Aが、歌詞を見せてもらって、そこには「パインカフェインB」と書いてあった、という情報を得ていたから。

いやはや、誤答をさらすのってなかなか恥ずかしい行為ですね。

しかしだ!!

どうしても納得のいかない部分がひとつだけ残った。
 

誤)『マルートゲラゲラ腹を抱えて』(???)
正)『中朝ゲラゲラ腹を抱えて』(ん!?・・・1stアルバムでは、中朝なんて歌ってないよね???何度聴いても中朝とは聞こえませんがな・・・)
 
 

そして、さらにさらに時は経ち
 
 

昨日
LIVE前のPANTAさんの楽屋で、PANTAさん持参のLIVE用譜面集(というかほぼ歌詞集で所々コードが書き込まれている)を見せてもらう(というか盗み見る)機会があった。

そこで見つけた『マーラーズ・パーラー』の歌詞!
一番の疑問箇所をさっそく探し出す。
 


 

やはり
 

『中朝ゲラゲラ腹を抱えて』と書いてあった。

う~む、おかしい・・・納得いかない・・・

勇気を出して訊ねてみた。

「PANTAさん、ここ、『PANTAX’S WORLD』では、中朝って歌ってないですよね?」

P「ん?そう?何て歌ってた?」

「(自信無く)マルート??」

P「え?マルートって歌ってる!?マルートっていうのはインドのジェット戦闘機で」

ここまで聞いた時点で、オレも「おおっ!!」と思ったわけですよ。
というのは、この後出て来る歌詞が『今日もスホーイ モンゴル越えて』
スホーイというのは、ソ連のジェット戦闘機。

『マルート ゲラゲラ腹を抱えて 今日もスホーイ モンゴル越えて』
これ!

マルートからスホーイへの流れが、すごく美しいじゃないですか?(軽く興奮気味)

PANTAさんも、もちろん、その戦闘機つながりを説明してくれましたが、では、なぜ、『マルート』が『中朝』に?

「どうして中朝に変えちゃったんですか?」

P「う~ん・・・分かんない(きっぱり)」

ええええっっ!!!
分かんないって・・・せっかくの戦闘機つながりを崩してまで変えた歌詞の理由が分からない・・・って。

ほぼ40年間、抱え続けてきた謎が解けて、晴れ晴れとした気持ちで軽く興奮状態になった直後に、さらに大きな疑問が降りかかるとは!!!

しかも、ご本人様が「分からない」と断言している以上、この疑問は解ける事はないのかなぁ
 
 
 
 

この夜のLIVE
「和久井光司の言わずに死ねるかッ! vol.25」 @クラブチッタ川崎アティック
では、和久井さんの提案により『マーラーズ・パーラー’80』風にアレンジした『マーラーズ・パーラー』を披露してくれました。
(メチャクチャかっこ良かった!!)
そして!歌ってくれました!!

♪マルート ゲラゲラ腹を抱えて 今日もスホーイ モンゴル越えて

『PANTAX’S WORLD』で体に染み込むほど聴き馴染んだこの言葉の流れ!
(しかし、その後のLIVEでは、一切聴く事のなかったこの言葉の流れ!)

個人的に大興奮!!
(たぶんここで興奮しているの会場中でオレだけ)
 
 

LIVE後、もう1度この件に関してPANTAさんと話す事が出来ました。

「『PANTAX’S WORLD』の後、LIVEでもほとんどマルートって歌ってないんですか?」

P「歌ってないねぇ」

「なんで中朝に?」

P「マルートなんていっても誰も分からないからじゃないかな」

う~ん・・・確かに、分からないけど、次にスホーイが出てくるのだから、ここはマルートで行って欲しかったなぁ
というのがファンとしての本音。
わかった時の「なるほど感」半端なかったし。

とはいえ、この日聴く事の出来た超貴重なマルート版『マーラーズ・パーラー(’80風)』は、オレにとって大きな宝物になりました。
 
 
 
 

(蛇足かも知れませんが)もうひとつ裏話を

P「『1000メガヘルツ』って歌ってる?」

「♪彼女は逆立ち1000メガヘルツ~(と、ちょっと口ずさんでから)歌ってます。」

P「そこ、最初のうちは『中ピ連』って歌ってたんだよな。」

「彼女は逆立ち中ピ連」うむ、なるほど。
意味的には、中ピ連で良いかも知れないけど、音の流れ的には1000メガヘルツの圧勝ですね。

というか、このエピソードはどこかで、読んだか、聞いたか、した事あるかも知れない。


PANTAX’S WORLD

不思議軍隊長どるたんです。
昨夜は『第4回 渋谷幻野祭』の報告第1弾として感謝の言葉を書きました。

今日は違った角度から感謝の思いを書き記していきたいと思います。

で、ちょっと昔話をしますので、文調変えますね。敬称略で。

 


中学1年の時、近所の友達の家には、当時うちには無かったステレオがあり、LPレコードがたくさんあった。
そのレコードは友達の兄貴の物で、ほとんど全てが日本のフォークソングだった。
高田渡、古井戸、加川良などなど
当時は誰が歌っているかなんてことは気にせずに、面白そうだと思うレコードを方っ端から聴かせてもらった。
ガキですから。

で、ガキでもおぼえやすい歌詞や曲調、ちょっとふざけた感じの歌など、おぼえては、学校帰りに畑の中の道を自転車こぎながら歌っていたのだ。

「自転車に乗って、ベルを鳴らし~♪」
「大学ノートの裏表紙にさなえちゃんを描いたの♪」
「紙芝居屋のあの親父♪」
「でっかい鼻の穴おっぴろげて馬が走ってく♪」

なんて調子で。

そんなある日、友達がレコード棚から取り出した1枚が『頭脳警察3』
「これすげえぞ!」と。

針を落とすと激しいリズム、ギター、そして何より叩きつけられる言葉。
とにかくぶっ飛んだ。

なにしろTVから流れる歌謡曲や洋楽カヴァーのヒットソング、TVマンガの主題歌やCMソング、そして上記のフォークソング程度しか聴いた事の無かったガキなのだ。

ステレオから流れてきた「ふざけるんじゃねえよ!」にどれだけの衝撃を受けたことか。
こんな歌詞聴いた事ねえ!!
「バカに愛想をつかすより ぶん殴るほうが好きさ」
とか、とにかくすげえ!!

音だって、あんな爆発的な音は聴いた事がなかった。
ストーンズの「サティスファクション」も、ビートルズの「アイ・フィール・ファイン」も未だ聴いた事の無いガキだったのだ。
いや、聴いた事があったとしても、充分衝撃的だっただろう。

これ、オレにとって、はじめてのロックの衝撃!

友達が「この曲もすげぇよ!」と聴かせてくれたのは、『前衛劇団モータープール』
何が何やらよくわからなかったのだが、とにかくすげぇ!すげぇ!すげぇ!

それから自転車を漕ぎながら歌う歌はこんな具合になってしまった。
「ブッシャーブッシャーブッシャー」
「極楽はトワイニング、地獄はモータープール」
「ぜ・ん・え・え・げー・きー・だん・モーーーターーープーーール」

のどかな田舎の畑道を、学生服を着た中学生のガキが、凶悪な顔つきで。

そんな中学時代を過ごし、高校生になったある日、発売されたのが『PANTAX’S WORLD』
頭脳警察のパンタが出した1st.ソロアルバムだ。

中学3年の時、はじめてギターを手に入れ、詩なんかも書くようになっていた、高校生のオレだった。
LPレコードは、昼ごはん代を切り詰めて1ヶ月に1枚ぐらいは買える男に成長していた。

当時買っていたMUSIC LIFE誌にドカンと広告が出て、速攻購入を決断した『PANTAX’S WORLD』

頭脳警察で大きな衝撃を受けていたので、オレの心には多少の耐性も出来ていたのだが、これにもまた大きな衝撃を受けたのだった。

でね、ガキだから、感化されますよ。
そんなオレの、当時のノートがこれ。

PANTAX'S WORLD NOTE BOOK

MUSIC LIFEの広告のモノクロ写真を貼り付けてサインペンで塗ったの。
まあ、中2病全開ですわ。

中は、PANTAX’S WORLDに入っている曲を聞き取った歌詞が全曲分書いてある。

その後発売された2ndアルバム『走れ熱いなら』にも歌詞が入ってなかったので、そっちも全曲歌詞聞き取って書いてある。

当時パンタ、歌詞カード入れてくれなかったんだよね。
「輸入盤のロックとか歌詞入ってねえじゃん!」
「日本語なんだから、聴けば分かるだろ!」
って理屈だと思うんだけど。
けっこう分かりません(笑)

で、必死に聞き取った。

特にあの大名曲『マーラーズ・パーラー』の歌詞を聞き取るのは本当に大変でね。
結局何ヶ所かどうしても分からない所があって、後のライヴアルバムに付けられた歌詞カードで答え合わせしたら95点ぐらいだったかな・・・

間違え探しされるとはずかしいから小さいサイズの画像で、当時聞き取りした『マーラーズ・パーラー』の歌詞。

マーラーズ・パーラー歌詞

まあ、そんな日々があって。

 

自分でも曲作るようになって。

50歳過ぎて、不思議軍結成して。

こんな曲も演奏しちゃって。

 

パンタがオレの企画したイベントに出てくれて。
『ふざけるんじゃねえよ』
歌ってくれて。

 

ああ、なんだかひとつ報われたなぁ
というお話し。

 

 

(あ、渋谷幻野祭でPANTAに「マーラーズ・パーラー聴きたい!」と叫んだのはオレです)


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