昨夜、書店に立ち寄った所、安彦良和著「天の血脈」第3巻(コミック本であります)が出ていたので購入した。

伝奇的な題材は、昔から大好物で、小説では半村良「石の血脈」、山田正紀「神々の埋葬」、高橋克彦「総門谷」、荒俣宏「帝都物語」等等、むさぼるように読んで来た。

この「天の血脈」第3巻、作品中の現在進行形時間は、日露戦争開戦あたり。さらに古代史上の好太王の碑、そして古事記など記紀神話的世界との絡みもあり、とてもそそられる内容なのだ。
古代から現代に至る歴史に様々な思いを抱きながら読了。

安彦良和「天の血脈」

ということで、ちょっと文体を変えます。

神話的世界と現実世界のリアルな接点、的な物も好きなのですが、歴史の中で戦争に向かう時、その時の一般人レベルの感覚、そんなものに最近は、とても興味があります。
いや、最近というわけでもないな。
長い事興味を持ち続けています。

興味を持った所で、実際の所、記録や伝聞、もしくは想像でしか感じる事は出来ないのですけど。

この作品中の現在進行形時間には、内村鑑三、大杉栄、そして新宿中村屋の創業者、相馬良など実在した人物が数多く登場するのも、そそられまくる大きなポイントです。

さて、そんなオレが、どんな事を考えながら、どんな事を感じながらこの本を読んでいたのかというと。

最近、特に思っている事とリンクするのですが、「今」って戦前なのでは?
まさしく戦争に向かっているさなかに、オレたちは生きているのではないのか?
という事です。

だとしたら、多くの人は、社会の動きに特に何の興味も持たぬままに、戦争に突入していってしまうのかも知れないわけで、なんなんですかね・・・この虚無感は。

多くの人々は、どこの政党が政権をとっても世の中なにも変わらないと思っているのでしょうか?

多くの人々は、特定秘密保護法案なんてものが通ろうが通るまいが、世の中なにも変わらないと思っているのでしょうか?

多くの人々は、自民党の憲法改正案が通ったところで、世の中なにも変わらないと思っているのでしょうか?
というか、自民党が憲法を色々と変えちゃおうとしている事を知っていますか?
興味を持っていますか?

これ全部、戦争に直結する問題だと思うのは、オレの考え過ぎですか?

それと、直接戦争に関係ないのかも知れないけど、多くの人々は、福島第一原発の事故は、もうほぼ解決済みで安心安全に暮らしていけると思っているのでしょうか?

まあ、多くの人の中にも、多少の興味や、危機感を持っている人は、いると思いたいのだけど、でも諦めというか、現状を受け入れるしか無いでしょ?って感覚が支配しているのかな・・・

たぶん、そういう人たちの感覚を、あまりきちんと理解する事ができないから、子供の頃から大きな疎外感を味わいながら生きてきたわけですよね。

と今更ながら思ってみたり。

自民党の憲法改正草案は、本当にとんでもないと思うのだけど・・・というか、「戦争をやりやすいように変えたい」という本音が読みとれませんかね?これ。

下に紹介する記事は、けっこうバイアスもかかっておりますが、後半部分に現行憲法と改正草案の比較が表になっているので、興味のある方は、読んでみても良いかと思います。
http://www.geocities.jp/le_grand_concierge2/_geo_contents_/JaakuAmerika2/Jiminkenpo2012.htm

国民の権利を色々と規制、束縛する方向に向かっているのは、感じられますよね?

「財産権」であるとか、「表現の自由」の文言をわざわざ変える理由って、なんなんでしょうか?
どういう時に、その文言を変えた効果が発揮されるのでしょうか?

そんな事を考えているオレは、もちろん原発にも戦争にも反対なのですが、それを反対と言う事すら危険な世の中になってしまいそうな昨今です。
だってダンスすら規制されちゃうんだぜ?

って、オレの考え過ぎ?

と、まあ「天の血脈」第3巻の話からは逸脱してしまいましたが、オレたちも今、歴史の中に生きている。
その進む先には、もしかすると戦争があるかも知れない。
そして、オレたちは、それを阻止できる可能性を持っている(かも知れない)。

なんて事も考えてしまうオレなのです。