不思議軍隊長どるたんです。
昨夜は『第4回 渋谷幻野祭』の報告第1弾として感謝の言葉を書きました。

今日は違った角度から感謝の思いを書き記していきたいと思います。

で、ちょっと昔話をしますので、文調変えますね。敬称略で。


中学1年の時、近所の友達の家には、当時うちには無かったステレオがあり、LPレコードがたくさんあった。
そのレコードは友達の兄貴の物で、ほとんど全てが日本のフォークソングだった。
高田渡、古井戸、加川良などなど
当時は誰が歌っているかなんてことは気にせずに、面白そうだと思うレコードを方っ端から聴かせてもらった。
ガキですから。

で、ガキでもおぼえやすい歌詞や曲調、ちょっとふざけた感じの歌など、おぼえては、学校帰りに畑の中の道を自転車こぎながら歌っていたのだ。

「自転車に乗って、ベルを鳴らし~♪」
「大学ノートの裏表紙にさなえちゃんを描いたの♪」
「紙芝居屋のあの親父♪」
「でっかい鼻の穴おっぴろげて馬が走ってく♪」

なんて調子で。

そんなある日、友達がレコード棚から取り出した1枚が『頭脳警察3』
「これすげえぞ!」と。

針を落とすと激しいリズム、ギター、そして何より叩きつけられる言葉。
とにかくぶっ飛んだ。

なにしろTVから流れる歌謡曲や洋楽カヴァーのヒットソング、TVマンガの主題歌やCMソング、そして上記のフォークソング程度しか聴いた事の無かったガキなのだ。

ステレオから流れてきた「ふざけるんじゃねえよ!」にどれだけの衝撃を受けたことか。
こんな歌詞聴いた事ねえ!!
「バカに愛想をつかすより ぶん殴るほうが好きさ」
とか、とにかくすげえ!!

音だって、あんな爆発的な音は聴いた事がなかった。
ストーンズの「サティスファクション」も、ビートルズの「アイ・フィール・ファイン」も未だ聴いた事の無いガキだったのだ。
いや、聴いた事があったとしても、充分衝撃的だっただろう。

これ、オレにとって、はじめてのロックの衝撃!

友達が「この曲もすげぇよ!」と聴かせてくれたのは、『前衛劇団モータープール』
何が何やらよくわからなかったのだが、とにかくすげぇ!すげぇ!すげぇ!

それから自転車を漕ぎながら歌う歌はこんな具合になってしまった。
「ブッシャーブッシャーブッシャー」
「極楽はトワイニング、地獄はモータープール」
「ぜ・ん・え・え・げー・きー・だん・モーーーターーープーーール」

のどかな田舎の畑道を、学生服を着た中学生のガキが、凶悪な顔つきで。

そんな中学時代を過ごし、高校生になったある日、発売されたのが『PANTAX’S WORLD』
頭脳警察のパンタが出した1st.ソロアルバムだ。

中学3年の時、はじめてギターを手に入れ、詩なんかも書くようになっていた、高校生のオレだった。
LPレコードは、昼ごはん代を切り詰めて1ヶ月に1枚ぐらいは買える男に成長していた。

当時買っていたMUSIC LIFE誌にドカンと広告が出て、速攻購入を決断した『PANTAX’S WORLD』

頭脳警察で大きな衝撃を受けていたので、オレの心には多少の耐性も出来ていたのだが、これにもまた大きな衝撃を受けたのだった。

でね、ガキだから、感化されますよ。
そんなオレの、当時のノートがこれ。

PANTAX'S WORLD NOTE BOOK

MUSIC LIFEの広告のモノクロ写真を貼り付けてサインペンで塗ったの。
まあ、中2病全開ですわ。

中は、PANTAX’S WORLDに入っている曲を聞き取った歌詞が全曲分書いてある。

その後発売された2ndアルバム『走れ熱いなら』にも歌詞が入ってなかったので、そっちも全曲歌詞聞き取って書いてある。

当時パンタ、歌詞カード入れてくれなかったんだよね。
「輸入盤のロックとか歌詞入ってねえじゃん!」
「日本語なんだから、聴けば分かるだろ!」
って理屈だと思うんだけど。
けっこう分かりません(笑)

で、必死に聞き取った。

特にあの大名曲『マーラーズ・パーラー』の歌詞を聞き取るのは本当に大変でね。
結局何ヶ所かどうしても分からない所があって、後のライヴアルバムに付けられた歌詞カードで答え合わせしたら95点ぐらいだったかな・・・

間違え探しされるとはずかしいから小さいサイズの画像で、当時聞き取りした『マーラーズ・パーラー』の歌詞。

マーラーズ・パーラー歌詞

まあ、そんな日々があって。

自分でも曲作るようになって。

50歳過ぎて、不思議軍結成して。

こんな曲も演奏しちゃって。

パンタがオレの企画したイベントに出てくれて。
『ふざけるんじゃねえよ』
歌ってくれて。

ああ、なんだかひとつ報われたなぁ
というお話し。

(あ、渋谷幻野祭でPANTAに「マーラーズ・パーラー聴きたい!」と叫んだのはオレです)